本多知恵子 勝手に名前を間違えないでね こんな誤植あんな誤植

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本多知恵子 勝手に名前を間違えないでね


本多知恵子さんと言えば、つきものなのが誤植。
本当によく間違えられて、アニメ誌でも「本田」や「千恵子」と誤字なのはしばしばで、これが新聞の出演者欄とか一般の雑誌だと、間違ってないとホッとするというほど。印刷関係だとキリがないので、ここでは出演クレジットで間違えられた例を紹介してみることにしてみる。

まず、一番目にしたことが多いと思われるのが、「本多智恵子」。なんたって、ヒロインだったテレビアニメ『江戸っ子ボーイ がってん太助』で1話から最終話の22話までずっと「本多智恵子」と表示されていて、直らなかったのだからひどい話。



『江戸っ子ボーイ がってん太助』
(スタジオぴえろ)
1990/10/19-1991/3/22


半年近く、ずっと「本多智恵子」と表示されるものだから、ついには、投稿誌『ファンロード』で「改名したのですか?」という読者からの投稿が掲載される始末。フィルム時代にはテロップを作るのにはウン万円と結構なお金がかかるという話を聞くけれど、するとヒロインだったことが、出演者の表示では一枚目の定位置ということで、逆に災いしたということか? でも、ひょっとしたらひょっとして本当に改名するつもりだった可能性もなかったとは言えないしで、いったいどんな裏事情があってずっと「智恵子」となってたのか気になりますなあ。

『がってん太助』を代表格として、「本多智恵子」とクレジットされた作品には、この他に次のものがある。

『ピグマリオ』29話(日本アニメーション)
1991/6/10

『ピグマリオ』は、月曜日19時からの放送。そう、カブ役で出演してる『魔法使いサリー』の裏番組なのに、ゲスト出演するなんて想定外だった。しかも今や封印作品。


OVA『マシンロボ クロノスの大逆襲
戦場の記憶』(葦プロダクション)
1987/4/22

『昆虫物語 みなしごハッチ』16話
(タツノコプロ)
1989/11/10

『みなしごハッチ』のテルは、本多さんには珍しい男の子役。
母親との関係がうまくいかないカブトムシの男の子。


『それいけ!アンパンマン』249回
(トムスエンタテインメント)
1993/09/20

つららちゃんと共に『アンパンマン』で長く演じ続けてきたドジな魔女っ子のマゴマジョ。2012年6月29日放送分にも登場し、たぶん本多さんが最後にアニメで演じたキャラクターです。


『ドラえもん』165回
(シンエイ動画)
2009/12/04

2009年放映の『ドラえもん』でのクレジット。で、次に紹介するのが、


『NEW TV版 ドラえもん』Vol.50
(シンエイ動画)
2010/12/10

そのエピソードを収録した『ドラえもん』レンタル版DVDのVol.50。2010年に東宝からリリース。テロップを作り直してるのに、直ってな〜い。


画像はないけれど、1989年のOVA『風魔の小次郎』も一部の話数で「本多智恵子」と表示されてた。画像はそのうち用意します。


次に、印刷物関係で目立ったのが「本多千恵子」。一般の雑誌などの出演者情報では、これが本当に多かった記憶がある。「知恵子」が「智恵子」になるのはまだしも、「千恵子」ではかなりイメージが違っていて、この誤植は好きではなかったなあ。検索の際には「本田」や「千恵子」も併用するのが本多知恵子ファンのたしなみになってるとかなってないとか。いや、自分のことなんですけども。

『鉄拳チンミ』7話
(葦プロダクション)
1988/08/20

前川たけし原作の中国拳法アニメ。本多さんはゲストの美少女キャラ。初登場では誤植だったけど、15話と18話に再登場したときは、「本多知恵子」と正しく表示されていたのに……


『鉄拳チンミ』20話
(葦プロダクション)
1988/12/24

最終話の22話でまたやってくれました。


『フル・コンタクト』
(東宝ビデオ)
1992

香港映画のヒロイン吹き替え。本多知恵子=ロリ声という先入観を持ってる人がいたら、アニメ声でないこの作品を是非見てもらいたい。


『赤ずきんチャチャ』34話
(スタジオぎゃろっぷ)
1994/8/26

1話限りの毒婦キャラ。


『レディファントム』
(日本テレネット)
1991/11/19

最後の『レディファントム』はアニメではなく、PCエンジンのゲーム。スタッフの方がTwitterで回想したまとめがあるのだけど、誰も誤字に気づかずにファンからの指摘で気づいたとのことで、本多さんご本人申し訳なかった、と。手紙で指摘した本多ファンも偉いが、表記を間違えられまくった本多さんが陳謝されるのは初めて見た気がする。それはともかく、Wikipediaでは、「本多千恵子名義」と編集されていたらしいが、「千恵子」が「名義」なわけないだろ〜。しかしこのヒロイン、『赤い光弾ジリオン』のアップルとエイミを合わせたようなビジュアルですな。

次に紹介するのは、キャストのクレジットではないけれど、オーツーというところから出たCD-ROMの『声優ROM』の録音台本。これがなぜかヤフーオークションで出品されていて、それで分かったのだけど、録音台本の縁者の名前が「本多千恵子」。
『声優ROM 沢田愛美』
(オーツー)
1995/10



ヤフーオークションに出品されていた台本。
分かりにくいので拡大してみる。


「本多千恵子」と印字されたのを手書きで修正しているのが分かる。サインがあるけど、まさか本多さん本人が訂正したんじゃないよね。


この「声優ROM」、本多知恵子としてのボイスデータ集でなく、沢田愛美という架空のキャラクターとしての声が収録されていて、それはいいのだけど、そのキャラクターが「〜ですわ」「ですわよ」という口調のおっとりとしたお嬢様キャラクター。収録していた本多さん自身が一生懸命演じつつも「馬鹿な子みたいですよね」と言ったように、はっきり言って適役ではなく、本多知恵子という素材の魅力が全く活かされていない。がっかりCD-ROM。んだからして、台本に「本多千恵子」とあったのも、「ああ、やっぱりね」と、ツボを抑えてなかった作りの秘密を垣間見た思いなのだった。あ、でも本多さん本人が登場した実写のインタビュームービーの収録は良かったですよ。

次は「本多」を「本田」と間違えた「本田知恵子」。紙媒体では「千恵子」と並ぶ誤植の双璧の印象があるけど、クレジットでも割と多い方かな。『Oh!ファミリー』は、『ピグマリオ』と同じく原作者からの不興を買ったらしく、DVD化は難しいかもね。どちらもVHSにもなってないはず。『竜世紀 魔章』は北爪宏幸氏がキャラデザインということで、『機動戦士ガンダムZZ』のエルピー・プルのコンビが再び、ですな。しかも本多さんは主役でクレジットの序列も最初。

『ドリモグだァ!!』29話
(ライフワーク)
1987/05/21

『月光仮面』の川内康範氏原作。主役はモグラだけど、本多さんは人間のキャラ。


『Oh! ファミリー』11話
(ナック)
1986/12/15

原作者や原作ファンからはイマイチの評判だけど、本多さんが演じたマリコは目立っていて面白いゲストキャラクターでした。


『竜世紀 魔章 R.C.297 ルリシア』
(AIC)
1988/12/25

せっかくの主役なのに名前を間違えられるなんて……。


『水曜特バン!
発表!1億2000万人のアニメ名作グランプリ』
(テレビ朝日)
1994/03/09

テレビ朝日系で過去に放送されたアニメのジャンル別ベストテンを投票によって選ぶというスペシャル番組。当時テレビ朝日で放送中のアニメのキャラクターの声優が部門別ベスト20で、キャラクターナレーション。本多知恵子は『平成イヌ物語バウ』の犬神さやかで登場して動物キャラクター部門を担当。ご覧のように「本田知恵子」とクレジットされた。



「本田智恵子」といえば、マンガ家の藤島康介氏が本多さんのファンで本多さんの名前をモチーフにしたキャラクターで、マンガ『ああっ女神さまっ』に登場。後に本多さん本人が「勝手に名前を使わないでね」というキャラクターソングとキャラクターボイスを担当したことは、いちいち説明するまでもなく、ここを訪れるようなファンならよく知ってる話。
『ああっ女神さまっ それぞれの翼』23話
(「お助け女神事務所」分室/TBS)
2007/02/23

アニメ化の際に「本田智恵子 本多知恵子」というまるで冗談のようなクレジットが実現したわけですな。


で、その「本田智恵子」の誤植も過去にあったという話で、前置きが長いぞ。
『ボスコアドベンチャー』10話
(日本アニメーション)
1986/12/08

動物ものアニメの『ボスコアドベンチャー』。本多さんの担当はアライグマとクレジットされているのだけど、登場はたったのワンカットで、しかも台詞は一言。その台詞も、どう聞いても本多さんじゃないような気がするんだけど、一言だしなあ。でも、判断に迷うほどでもなく、かなりの確率で本多さんではないと思う。こんな声出してるのなんて聞いたことないものね。でも、本多さん本人だったら謝ります。ということで、誤植も誤植なら、別人が声をあててるのに本多さんを表示してるのではないかというひどいクレジットなのでありました。


『ボスコアドベンチャー』12話
(日本アニメーション)
1986/12/22

これも『ボスコアドベンチャー』だけど、こちらはれっきとしたゲストキャラクターで名前もあって、ゲストとしてはわりと大きめの役。ラビニーというようにウサギの少女。10話のアライグマと違って、 間違いなく正真正銘、本多さんです。


他にレアな誤植といえば、『アンパンマン』であった「本多和恵子」。「知」と「和」を取り違えたんですな。でも和恵子なんて女性の名前あるの? と思って、ぐぐってみたら、なくもないけど、相当に珍しい名前っぽい。
『それいけ!アンパンマン』127回
(トムスエンタテインメント)
1991/04/01

フルフル。実はこれが本多さんの『それいけ!アンパンマン』初登場。雪降り棒で雪を降らせるキャラ。準レギュラーになったつららちゃんとマゴマジョと役回りが少しかぶってるせいか登場はこの回のみ。他にも『アンパンマン』ではモグちゃんという登場1回きりの男の子キャラもやってます。


他にレアなのといえば、「本多穂子」。ポスターに縦書きされたものらしい。「穂子」って、つまり「千恵子」と間違えたのをさらに「千」と「恵」をいっしょにしてしまって、「穂」にしてしまったというトンデモポスター。本多知恵子誤字マニアとしては、これは是非とも見てみたかった。

ところで、ときどき「本多千恵子さんのファンです」「好きな声優は本田知恵子」とかいう人がいるけど、「ファンなら字を間違えるなよ」と一言言ってみたくなるのはご本人も同じなようで、『The Rippleの幕末ナイト』のときに「ホンダのダの字が間違ってるよ」と葉書を読むときに突っ込みを入れていたことがあって、嬉しくなった。ラジオなので読みが同じならリスナーには誤字なんて分からないんだけどね。
ファンレターで名前を間違えられたと言えば、10年越しで本多さんがネタにしていたのが、誤字ではなく誤読で「本多 知恵子」を「本多知 恵子」と勘違いして、「恵子さん、こんにちは」とファンレターを送ってきた話。当時所属の俳協で話題になって、スタッフから「おい、本多知」と呼ばれたり、CHOKI!!の会報で「芸名をつけるなら」という設問に「本多知 恵子」と回答したり、ラジオでもネタにしていた。ファンレターを送った主もここまで遊ばれるとは思わなかったろうすごいボケだが、実際に本多知さんという苗字の人はいるのか?


最後は誤植でも誤読でもなく、正真正銘の別名義。
『VOICE ARTIST BOX コレクション 本多知恵子』
(メルダック) 1991/05/01 ブックレット

1991年に出た『VOICE ARTIST BOX コレクション 本多知恵子』での作詞したときの名義がChieko。



この後に『サイレントメビウス NAMIX』など作詞をしてるんだけど、そのときは普通に本多知恵子名義で、Chieko名義はこのとき限り。「Chieko」だと「C」や「O」があるせいで丸っこい印象になって、字面としては「本多知恵子」と対照的な印象がある。

アダルトゲームやアダルトアニメなど18禁向けの仕事には別名義を持ってる声優がいるそうだけど、本多さんについては確認されていない。そういう仕事を本多さんもやっているけど、知る限りではただ単にノンクレジットの作品しかないはず。

別名義には、もう一つ「ほんだちえこ」がある。と言っても、これまた確認されたのは月刊のレンタルDVDマガジンの『非売よしもと本物流』『月刊DVDよしもと本物流』だけ。2005年5月から月刊ペースで赤版と青版の2種類が出て、そのナレーション担当だった本多さんがVol.4の9月号から「ほんだちえこ」とクレジットされるようになった。
『非売よしもと本物流』(R and C Ltd.)
2005年8月号 vol.2 赤版

『月刊DVDよしもと本物流』(R and C Ltd.)
2006年1月号 Vol7 赤版

他のスタッフもひらがな表記になってればともかく、本多さんだけが平仮名になっていて、しかもそれがずっと続いている以上、別名義にしたのは、本人の意思なんだろう。
別名義と言ったけど、別表記のが正しいかな。読みは同じだし。これなら「本多知 恵子」(ほんだち けいこ)さんと読まれることもないし、漢字を間違えられることもないわね。
でも、「本多知恵子」と「ほんだちえこ」じゃ、随分と印象が異なるね。「本多知恵子」って姓名判断では良くないそうだけど、見た感じの字面自体の完成度が高い。、鋭角的で本多さんの知的な感じが醸し出されていて、かっこいいとすら思ってしまう。んだから、誤植がイヤだったんだよな〜。それが「ほんだちえこ」だと「ほ」「ち」「こ」と曲線の字があって、丸っこくて柔らかい印象が強く、まるで別人みたいだよね。

どうして平仮名にしようと考えたのか。ナレーションでは、アニメ声優のイメージが強い「本多知恵子」のイメージを払拭したかったのか、その後もナレーションでこの表記を使うことがあったのか、あるいは特に深い考えはなく、ギャグDVDだからノリで平仮名にしたとか、まあいろいろ可能性は考えられるけど、そしてこのことに限った話ではないけど、ご本人の口から説明を聞く機会がなくなってしまって、それはもう残念で残念で、悲しくて悲しくて……なんでこんなに早く亡くなってしまわれたのか。

では、こんなところで……
『キテレツ大百科』329話
(スタジオぎゃろっぷ)
1996/06/09


やっぱり「本多知恵子」がいっちゃん好き!
じゃ〜ね〜♪
(『童夢くん』見習いコンパニオン風)


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