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【CHOKI!!】

CHOKI!!(チョキ)は、1986年に結成された声優のお笑いグループ、コントグループ。メンバーは、井上和彦、小杉十郎太、荒川美奈子、本多知恵子の4人。本業の声優業の傍ら、不定期に渋谷のTAKE OFF 7でライブを開催し、1988年に活動停止。

井上は1954年3月、小杉は1957年12月、荒川は1959年11月の生まれ。1963年3月生まれの本多知恵子はメンバー最年少で、23歳から25歳にかけて活動したことになる。他の3人の当時の所属事務所は大沢事務所で、本多1人が俳協。

結成のきっかけとなったのは、4人がテレビアニメ『昭和アホ草紙あかぬけ一番!』で共演したこと。井上和彦は主役、本多知恵子は主人公が思いを寄せるヒロインの美少女、小杉十郎太は主人公のクラスメイトで恋敵の二枚目を演じ、荒川美奈子はクラスメイトなど様々な役をする番組レギュラーとして番組を支えていた。

『あかぬけ一番』は亜月裕の少女マンガが原作のギャグアニメで1985年10月スタート。玄田哲章など芸達者な声優が揃い、現場はアドリブが飛び交う楽しいものだったという。12月、当時、夫婦だった井上と荒川はクリスマスにディズニーランドへ遊びに行くことになり、そこにまだディズニーランドへ行ったことがなかったことから本多が加わった。同じくディズニーランドへ行ったことのない共演者の中原茂も同行するはずが都合で行けなくなり、その代わりで参加したのが小杉十郎太である。
このクリスマスのディズニーランドが盛り上がり、4人でいるのが楽しいとすっかり意気投合。4人で何か夢のあることが出来たらいいねと翌年3月にライブを開催することになったのが、CHOKI!!の始まりである。



1986年になって、井上を除く3人でライブ会場の予約に行き、そのついでにライブ会場と同じビルにあった『アニメディア』編集部を訪問し、グループ名を募集した。1986年2月発売の3月号に掲載された記事の見出しには、「あかぬけ一番の声優さんが、バンドを結成!!」と銘打たれていた。
右画像『アニメディア』1986年2月号104頁より引用
1月某日に編集部を訪れた、左より荒川、本多、井上


よくバンドとか歌手と勘違いされることのあるCHOKI!!で、メンバーが作詞作曲した歌や楽器演奏の披露をしており、ライブパフォーマンスには音楽活動の要素もあったのも事実である。ギター少年だった小杉は業界入りして再び作曲したのはCHOKI!!の頃だったという。だが、本多知恵子が「CHOKI!!はバンドでなくコントみたいなお笑いをやってたんです。ライブと称してコントをやってたんですよ、騙しちゃったかな、みたいな(笑)」と語り、井上和彦も「コントグループ『CHOK!』というものを作り一緒に活動していました」というように、後年の本人たちの説明ではCHOKI!!はお笑いのコントグループという位置づけだった。瞬間芸や物真似し、本多知恵子は薬師丸ひろ子の物真似をしたり、ヘリウムガスを吸って「Gu-Guガンモですぅ〜」とやっていたとか。

選考の模様『アニメディア』5月号104頁より
左より荒川、本多、井上

なお、CHOKI!!のグループ名の由来は『あかぬけ一番』での井上和彦のアドリブ。井上演じる主人公のキャラクターがVサイン/ピースサインをしてるときに「イェーイ!」と言うところを「チョッキー」としたアドリブが受けて、その後も番組内では、挨拶のように「チョッキー」がキャラクターの間で交わされるようになった。『アニメディア』1986年3月号でグループ名を募集したところ、300通を越える応募があって、「チョキ」という台詞が面白かったというファンからとCHOKI!!という案が井上、荒川、本多の3人の選考て採用された。4月10日頃発売の『アニメディア』5月号で発表。本多知恵子は「冗談でつけた名前」と言っている。

チョッキンチョッキン、チョッキンナーこれが「チョッキン、チョッキン、チョッキンナ〜」
『ジ・アニメ』1986年10月号108頁より
ファーストライブレポート記事中の写真
左より、小杉、本多、荒川、井上



瞬間芸のオチの後、次のネタに移る前に、メンバーでチョキをしながら手首を回して「チョッキン、チョッキン、チョッキンナ〜」と言うのがCHOKI!!のお約束になっていた


CHOKI!!を産み出すことになった『あかぬけ一番』は一部では好評だったものの、当時のタツノコプロ作品に例に漏れず不遇の作品で、半年間、わずか22本で1986年3月24日で終了。その6日後の日曜日30日に開催されたライブイベントが「特殊戦隊ライブ 君は耐えられるか」。

渋谷のクロコダイルで開催された「特殊耐熱ライブ」は11時からと13時からの1回あたり90分の2回公演で1500円。『あかぬけ一番』のテレビ朝日ともタツノコプロとも集英社とも無関係で、井上和彦らが所属する大沢事務所の仕切りだったようだが、このライブにはCHOKI!!の4人の他に、富沢美智恵、玄田哲章、鳳芳野、三浦雅子といった『あかぬけ一番』のレギュラー声優が参加し、さらに声優が『あかぬけ一番』の各キャラクターに扮して劇中の高校文化祭という設定で井上和彦脚本の「シンデレラ」を上演。事実上の『あかぬけ一番』の関連イベントになっていた。その他に着流しの玄田哲章と女形姿の井上和彦のデュエット「夢芝居」、クイズ、CHOKI!!の命名式が行われて、このライブがCHOKI!!の初お披露目になった。

そしてCHOKI!!は、7月にファーストライブ、11月に初のファンの集い、12月にクリスマスライブを開催。ライブの告知には主にアニメ雑誌が使われ、大沢事務所内には、CHOKI!!のファンクラブが設置されて、郵便小為替500円で会員になれば、3ヶ月に1度「CHOKI!!ランド」という会報が送られていた。

1987年は、3月にライブ、8月にディズニーランドでファンの集い、10月にライブ。1987年のファンクラブは第2期となり年会費は1000円。

そして解散の年となる1988年には、1月に大阪ライブを行った後、7月31日に東京で、8月7日に大阪でライブを行い、活動停止した。

解散の理由については、メンバーが忙しくなって練習ができないとかいろいろあったという。その他にも、お笑いのネタ作りの負担や、あくまで余技であってお金になる活動ではないということもあったのではなかろうか。1988年頃は既に本多知恵子は、母1人子1人で母親を扶養する立場となっていた。

井上和彦が1993年にデビュー20周年を迎え、それを記念するコンサートに小杉、荒川、本多の3人が登場。CHOKI!!の往年の歌や物真似、瞬間芸を披露してファンを喜ばせた後、『あかぬけ一番』のテーマソングで退場、コンサートのコーナーの一部としての1日だけのCHOKI!!が再結成だった。その後は、井上と荒川の別れもあり、再びCHOKI!!を見ることは困難と思われたが、2013年2月、本多知恵子が鬼籍に入ったことで、CHOKI!!の再復活の機会は遂に永久に失われた。

かつて本多知恵子は「CHOKI!!では隠していたイロモノの部分を引き出された」「CHOKI!!でお笑いの難しさを勉強できた」「和彦さんと出会って、自分はもう二の線は無理かもと思った」「やりたくないと言ったんだけど、和彦さんにお笑いの才能を引き出された」と言いながらも、CHOKI!!でお笑いをやったことはまんざらでもない口調だった。


大好きだった振り付けもCHOKI!!の頃から行うようになって、互いの家で練習もしていたという。本多知恵子の訃報に触れた小杉は、本多の自宅を訪れて本多の母の手料理をご馳走になったことを思い出として綴っている。
後に声優の仕事として、キャラクターソングを何曲も歌うようになったが、人前で歌を披露し出したのもCHOKI!!のライブが初のはずで、作詞作曲も行った。

(左画像は『ジ・アニメ』1986年10月号108頁より引用。ファーストライブでアイドル歌手のような衣装で歌っていた)

1985年に舞台活動を諦めざるを得なかった彼女にとって、1986年からのCHOKI!!はそれに代わる観客からの反応をダイレクトに得られる貴重な機会でもあり、懐かしく楽しい青春の思い出になっていたと思う。

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イベント履歴

CHOKI!!ファーストライブ
1986年
7月27日(日) 東京・渋谷 TAKE OFF 7
前売り1800円 当日2000円 問い合わせ 大沢事務所 第1部
 夏のメロディー特集、略して夏メロ、ピンクレディや南沙織,山口百恵など数年 前から昨年位までに流行った夏をテーマにした曲をメドレー
"ほとんど宴会! CHOKI!!の瞬間芸" じゃんけんをして負けた者が瞬間芸披露
 CHOKI!!「愛の形」、小杉十郎太「時がこのまま」、荒川美奈子「恋する気分で」、本多知恵子「LOVEオデッセイ」、井上和彦「メイクアップサマー」
第2部
 コント「妙な形の愛・ナンパ」
 荒川美奈子/本多知恵子の「エアパート・イルミネーション」
 井上和彦/小杉十郎太の「プライベートリング」

CHOKI!!ファンの集い 「CHOKI!!と遊ぼう会」
1986年
11月3日(祝) 東京・目黒

CHOKI!!クリスマスパーティ
1986年
12月21日(日) 東京・渋谷 TAKE OFF 7 13:00〜 前売り1800円 当日2000円
4人で楽器演奏、ゲスト多数参加

CHOKI!! おもしろライブ!!「春だよ一番」
1987年
3月29日(日)
東京・渋谷 TAKE OFF 7
14時,18時30分の2回
前売り:1800円,当日:2000円
1時間半のライブ
各人作詞・作曲の歌の披露,井上和彦「君を待ってるエアポート」、本多知恵子「Dreaming」、小杉十郎太「ブラン・ニュー」、荒川美奈子「スタート」 画家(北斎・ピカソ・ムンク)の代表的な絵を顔をつかって表現する瞬間芸

第2回CHOKI!!ファンの集い
1987年
8月30日(日)
ディズニーランド

今が旬です CHOKI!!のおもしろライブ
1987年
10月18日(日) 東京・渋谷 TAKE OFF 7 13時 前売り1800円 当日2000円
「スペース・ファンタジー」「CHOKI!!のパーティー」「君を待ってるエアポート」などCHOKI!!のオールオリジナルソング
毎度好評瞬間芸コーナー 女性陣がブルマを披露したコント

CHOKI!! おもしろライブ大阪編
1988年
1月31日(日) 13時・17時の2回
大阪・阪急ファイブ8F OMCミュジックセンター
料金/前売り・2000円,当日・2300円

これで見おさめ! CHOKI!!おもしろライブ
1988年
7月31日(日) 14時30分と18時30分の2回 東京・渋谷 TAKE OFF 7 前売\1800,当日\2000
8月7日(日) 12時と15時の2回 心斎橋ミューズ 前売\2000,当日\2300
8月7日,18時より,フェアウエルパーティあり(料\3500)

井上和彦20thアニバーサリーコンサート
1993年
9月23日(祝) 会場:浦安ショッパーズプラザ新浦安4F 浦安市民プラザWAVE101大ホール
2回公演 1回目:開場:13時30分,開演:14時5分、2回目:開場:17時,開演:17時30分
前売\4000,当日\4200
「CHOKI!!のパーティー」、物真似、瞬間芸、トーク、「いきなり WANT YOU」
コンサートエンディングでCHOKI!!が再登場

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 『CHOKI!! 1』


 CHOKI!!のオリジナルカセットテープ。
 ライブ会場と通販でのみ販売。
 2200円






『CHOKI!! 1』に未収録のCHOKI!!のオリジナルソングについて、情報が不足しています。

雑誌のイベントレポートでは、CHOKI!!「愛の形」、小杉十郎太「時がこのまま」、荒川美奈子「恋する気分で」、本多知恵子「LOVEオデッセイ」、井上和彦「メイクアップサマー」、荒川美奈子/本多知恵子の「エアパート・イルミネーション」 井上和彦/小杉十郎太の「プライベートリング」があるようです。
また、2006年11月4日の小杉十郎太ライブ「J's Music Action the 2nd 」のexciteアニメによるレポート記事によると、CHOKI!!で小杉十郎太が「Remember X'mas」というナンバーを歌っていたとのこと。



CHOKI!!についてはまだまだ不明なことが多く、会報をお餅の方やライブをご覧になった方からの情報をお待ちしております。

たとえば、こちらの 折笠愛ライブ「BREATH in NiKoTaMa」のレポート記事では小杉さんが、CHOKI!!で「名古屋や大阪なんかも回った」と語ったとあるのですが、大阪ライブは確認できるものの名古屋については『CHOKI!! LAND豪華本』や当時のアニメ誌のイベント告知では確認できません。


情報提供は、こちらの掲示板か、こちらのメールまでお願いします。

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